症例3 富山県から来院 両側の三角骨障害と診断
15歳 女性 2018年 5月 来院
症状と来院理由
現在中学3年生。 小学校高学年から、症状がありつつもバレエレッスンを続けていた。2年前の整形外科での診断では、両側に三角骨が認められ、「辛いようなら手術を」と勧められた。
お教室の先生に相談すると、「手術をしても良くならないバレエダンサーも見てきたしなんとも言えない」とのこと。
インターネットで調べ、当院で症状がなくなりレッスンを再開している例をみて富山県から来院された。
施術と経過
痛みのある動きをしてもらうと、初回時ではルルべをすると痛みがでるとのこと。可動域の低下は大きくはない。両側のアキレス腱後面に詰まった痛さがあり、トゥシューズはしばらく履いていない。
初回
両足の緊張やむくみが強い。 手技にて主に下肢の筋膜を調整する。
2回目
まだ、痛みが強いのでレッスンは控えている
筋膜療法継続
3回目
右はほとんど痛みを感じない(ポワントレッスンは控えている)
左はアキレス腱外側の奥が痛い
5回目
「トゥシューズレッスンできました」
「まだ最後まで乗ろうとすると痛いです」
7回目
「左のアキレス腱が張る程度であまり気にならなかったです」
9回目
「キャンプで滝の所で遊んでいたら、岩の上で滑って捻挫しちゃいました」
捻挫の施術も同時におこなう。
14回目
1か月施術間隔をあけても違和感痛がなくレッスンができているので卒業。
考察
遠方からの来院という事もあり『なるべく早く良くしてあげたい』という想いはあったのだが、症状が安定するまでに時間がかかってしまった。
アキレス腱に負担のかからない体の動かし方や、セルフケアの仕方などを指導することにより、症状の再発を防ぐことも施術の一部である。
症例2 三角骨障害と診断 手術を勧められた
15歳 女性 2018年 3月 来院
症状と来院理由
1年以上前から左足首後方に痛みがあり、整形外科を受診。当時は「アキレス腱炎でしょう、バレエを休んで」と痛み止めを処方された。
2、3か月休んで痛みが落ち着いてきたのでレッスンを再開したところ、レッスン量が増えるにつれ痛みが増す。半年前に強い痛みと腫れが出たため、バレエに詳しいセカンドオピニオンを受診。三角骨障害といわれ手術を勧められた。
同じお教室のお友達が、三角骨障害といわれたが当院で症状がなくなり、その後、コンクールや発表会も出ているという事を知り来院に至った。
施術と経過
痛みのある動きをしてもらうと、タンジュで最も強い。基本動作をしてもらうと、指を曲げる癖がある。また、プリエをした際、アーチが落ちてしまう回内足傾向にある。
施術の前提として、自分で気をつけられる動きの癖などを意識してもらうことが、再発予防の視点から肝心であると考えている。
初回
緊張の強い筋膜を緩め、足関節の調整をする。痛みの変化をみる。施術直後は痛みはなくなるケースが多いが、大事なのはレッスンをして痛みがどう変化するか。
2回目
レッスンが久しぶりにできたが、後半になると痛みが出てくる。もちろんトゥシューズはしばらく履いていないので、バレエシューズで症状が出なくなってからという事にする。
アキレス腱周囲と頸椎、肩甲骨と重心のバランスを意識した鍼をする。
5回目
バレエシューズでの痛みがだいぶ治まってきたので、次回のレッスンでから軽くトゥシューズでならしてもらう。
下肢~足関節筋膜調整を中心に、全体のバランスをとる。
6回目
トゥシューズで立ってみた「思ったより痛みがないです」ただし、のりきれないとのこと。また、レッスン後になると少し症状がでる。
8回目
その後、発表会に向けてのレッスンも加わり、練習量も増えたが、軽い違和感程度でこなすことができている。
12回目
無事発表会終了。
痛みもなく、可動域も正常と判断し卒業とした。
考察
手術といわれても、症状が治まり、思いっきりレッスンができる可能性があります。一方で、手術をしリハビリを経て復帰できた例も数多く知っています。
わたし個人の意見は、まず手術以外の施術、無理なら⇒手術と考えています。状態を見て、相談し、一緒に頑張りましょう!
症例1 来月発表会、三角骨障害と診断。安静と言われたが・・・
患者
新宿区 10代 女性 2017年 4月来院
来院動機
バレエ教室の発表会に向け、日々レッスンをしていたところ足首に痛みを感じる。整形外科を受診「三角骨障害ですね、痛みが引くまでバレエはお休みして、ストレッチをしっかりするように」と言われた。
しかし、レッスンをしなくては発表会には出られない。お教室の先生に相談したところ当院を紹介され来院に至った
施術内容
お聞きすると3か月前から症状が出始めたとのこと。疼痛誘発動作は、ルルべ・プリエ・タンジュなど、腫れは見られない。
当院では基本的にレッスンをしながらの施術になるので、痛みがでる動作や関節のつまりを強く感じる動作以外はおこなってよいと伝える。これは施術の効果を把握するため、また踊り感を落とさず早期に改善するためである。
1回目
鍼と筋膜療法を併用した施術を行う。
2回目
痛みはレッスン後半まででなかった。ルルべをしてもらうとまだ可動域が著しく低下した状態。腰部に刺鍼し、可動域を回復させる。
3回目
「だいぶ痛みが減ってきました」
4回目
「レッスンの後に少しだけ感じます」
発表会のスケジュールが多くなり、あと少しの症状がとり切れない。
7回目
発表会は無事終了
痛みは若干でたものの、関節可動域は正常といえる。
8回目
「もう痛みはありません」
関節可動域正常、筋力検査正常のため、卒業とした。
【追記】
その後、1年以上再発は見られない
考察
レッスンをしながらの施術であったが、希望していた発表会は思いっきりできたようで安心した。日頃のレッスン量よりも多くなると回復がやや遅くなってしまうこともある。
三角骨障害はバレエ障害の中でも悩みの深い問題である。一つの目安としては関節の可動域が正常に戻るのであれば、手術は見送ってもよいのではないかと考えている。
お電話ありがとうございます、
明京堂治療院でございます。